クリスマスご来店いただいた皆様有難うございました。 おかげ様で、4年目にして初めて、3日間とも満席となりました。 ありがとうございます。
まだ頭の中でシャンシャンと鐘がなっているような気がしますが(疲れてる
)、29日までノンストップで頑張ります。
クリスマス前、お客様の宴会が入ってたり、仕込みに追われて今年のクリスマスメニューの解説をブログでできなかったので、遅ればせながら・・・
毎年ある程度流れは決まってきているのですが、イタリアの伝統的なクリスマス料理とからめながらメニューは構成しています。
まず最初は、“ナターレ”特製 アンティパスト 6種類の取り合わせです。 6種なのは、これに続く料理とあわせて、コースの料理の数を12~13種にして最後の晩餐の使徒の数になるようにです。
1、 大鹿村直送! 信州鹿のモチェッタ
いわずと知れたセレーノの定番ジビエの信州鹿でつくる自家製 生ハム。 塩漬け後、赤ワインでマリネして、乾燥、熟成させます。
2、 バルバリー鴨 胸肉のスモーク
宴席には必ずといっていいほど登場する鴨を瞬間燻製にしてみました。当日、提供前に時間をあわせてローストしてスモークするのでジューシーな仕上がり。
常緑樹という事で永遠の生命の象徴と言われているオリーブのサルサを添えました。
3、 バッカラ・マンテカート
クリスマス・イブの深夜のミサの前の食事は断食ということで、大体魚をメインとして食べます。 魚だったらいいのがイタリアらしい! この時の魚はやっぱりバッカラ(干し鱈)が多いそうです。
今回は前菜に組み込むので、伝統料理バッカラ・マンテカートにしました。 干し鱈を2日ぐらいかけて水で戻して、牛乳で煮込み、それを木べらで根気よく細かくほぐし、ペースト状になるようオリーブオイルでつなぎながら、混ぜます。 30分ぐらい混ぜつづけるので、筋肉痛に
なんで伝統料理って肉体労働みたいなの多いのか?
4、 冷製ザンポーネ レンズ豆添え
今年も登場しましたザンポーネ、イタリアの大晦日に食べられる定番料理! 豚足の中に挽肉を詰めたものです。 本来は温かいものをメインとして食べるものですが、好き嫌いがありますので、セレーノでは冷製にして前菜で。
コインの形に似ているところから、お金が貯まるというレンズ豆を添えるのも定番です。 今年は赤レンズ豆に変えたので、出来上がりが黄金色になって更に金運アップ。
豚足は2時間ほど、香草や香味野菜などとともに煮込んで、中の骨だけ抜きます。 林ポークで作った挽肉に豚足の内側の肉やスジを刻んで混ぜ込んで、豚足の中に詰め、先ほどの煮汁の中で、また2時間ほど80℃ぐらいをキープしながら、煮込みます。 スープごと冷やしたら出来上がり。 輪切りにして、フレッシュトマトと赤ピーマン、パプリカのピュレでアクセント。
5、 カッポン・マーグロ 〈 ジェノヴァ風魚介サラダ 〉
不思議な名前のジェノヴァの伝統的なサラダ料理。 名前の由来は諸説ありますが、直訳すると“痩せた去勢雄鶏”、そうクリスマスに食べられるカッポーネにも匹敵する料理という事で名付けられたとも伝えられています。 本来は何十種類もの魚介類や野菜が入る、お祭りのときしか食べれない料理ですが、少しアレンジしてつくってみました。
思いきって野菜は減らして、ミニトマトとオリーブのみ、下に敷くガッレッタ(乾パンみたいなもの)はパンを砕いたもので代わりに、モッシャーメ〈 マグロの生ハム 〉は塩気が強いのでインドマグロに塩をして表面を炙ったもので、魚介類は減らして、海老、ヤリイカ、帆立貝、タコ、ツブ貝、ズワイ蟹、甘エビのみにしました。
それぞれの魚介を別々に風味を変えながらマリネして、重ねて、ジェノヴァ風のサルサヴェルデを間に挟み、一番上にバジリコのピュレをかけました。 下に食べ進んでいくうちに色々な風味が出てきて、味に変化がでるように構成を考えてみました。 いかがだったでしょうか?
6、 穴子とちりめんキャベツのトロンケット バルサミコ風味
南イタリアで年末に食べられる大鰻をイメージして穴子で、トロンケットは切り株の意味、ブッシュ・ド・ノエルにかけてみました。
大き目の穴子を赤ワインとバルサミコ、香辛料で一時間ほど煮込みます、別に茹でたちりめんキャベツを外側にして、棒状に巻きます。 冷蔵庫で冷やすと、穴子のゼラチン質だけでかたまります。 穴子を煮た汁を煮詰めていくと、あら不思議、お寿司屋さんの穴子のつめみたいな味になりますので、バルサミコで味を調整して、ソースにします。
最初が前菜6種類の盛合わせで始まるのは、クリスマスパーティーをイメージしてです。 テーブル一杯の料理って、なんだかそれだけで幸せでしょ
二皿目の温前菜は“フランス産 フォアグラのロースト トピナンブールのパッサータ”です。
いつもはフォアグラやらないんでクリスマスぐらい食べたいかなと、いや僕がじゃないですよ、お客様、お客様がですよ… 毎年楽しみにしてくださる方もいらっしゃいますし。
個人的な好みで、仏産の鴨のフォアグラを。アクセントとして、エシャロットを漬け込んだヴィンコット(ワインになる前の葡萄果汁を煮詰めたもの)を添えてます。 まきもの屋さんのトピナンブールのピュレがフォアグラの脂肪分を感じさせない仕上がりにしています。
最初のパスタは“スカンピ海老のフレッシュトマトクリームソース タリアテッレ”
スカンピ海老は、身は少ないのですが、頭の中にあるミソがパスタソースにすると美味しいんです。 こういう時はいっぺんに仕込めちゃうので旨みが出やすいんで美味しいです。
オーダー前に全員分のスカンピの頭でソースを作ります。 ポイントは、ミソを出して少し炒めることと、香り付けのペルノー。 オーダーが入ったら、身の部分を殻のほうからだけ炒めて、海老の風味が出たら、白ワインを注ぎ、先ほどのソースを加え、フレッシュトマトのコンカッセを入れます軽く煮たら出来上がり。 濃厚な旨みのあるクリームソースです。
2番目のパスタは、“ブレス産 タッキーノ〈七面鳥〉とビーツのトルテッリーニ”
丸ごと一羽の七面鳥をゆでてスープをとります。 ブレス産なんて贅沢しすぎかも
トルテッリーニはご存知、指輪型の小さな詰物パスタ、旅籠のオヤジが未亡人のおへそを覗き見して(ヴィーナスという説も)つくったといわれる伝説のパスタ! 由来がイタリアらしい!
ビーツ・クラポディーヌはゆでて一晩煮汁の中に置くと真っ赤になりますので、それを細かく刻んで、先ほど茹でた七面鳥の肉も細かくして詰物に。
1人前 12個計算で多めにつくって500ちょっとあればいいかななんて考えてたら、とんでもない。 何故か今年、例年になく、皆様の食欲が進んで、最終日の分は前日までに使い切ってまた作ることに・・・ 嬉しい誤算
フォアグラ、クリームソースと脂肪分が多いものが続くので、トルテッリーニのスープは優しい味付けにして、ここで口直しみたいな。
メインは、“ウンブリア産 黒トリュフのヴェールをまとった宮崎産 和牛のビステッカ”
メニューを思いついたときはいけると思ったのですが、ヴェールをまとった状態にするには大量のトリュフが必要なわけで・・・
年末トリュフのリゾットでもやろうかなと思ってたのですが、綺麗さっぱり使い尽くしてしまいました。 そして、またソムリエに怒られました
お客様サービスです、トリュフは、こんなに一杯っていってもらえないとなんか寂しいじゃないですか・・・
和牛はローストして、寝かせておきます。 シャンピニオンと形の悪い黒トリュフを刻んで玉ねぎ、バターとともにゆっくりと炒めた旨みの濃いペーストを肉の上に塗って、オーブンで温めます。 まきもの屋さんのパースニップのピュレを下にしいて、肉を載せ、トリュフをまとわせます。 赤ワインとスーゴを煮詰めてコーンスターチでつないだソースを回りに添えて、サルヴァーニョのEx・ヴァージンオリーブオイルで香りつけ。
隠れた主役、実はパースニップのピュレです。 いくら内もも肉とはいえ和牛、そこにトリュフのピュレと赤ワインのソースだとどうしても重くなりがちですが、パースニップのかすかな清涼感のある香りがキレを生んで、最後まで食べ飽きない一皿になったと思います。
皆様、トリュフは堪能していただけたでしょうか? トリュフはやっぱりたくさんかけないと美味しさが分かりにくいですよね~
最後のデザートは、セレーノオープン当時からの定番、ノチェッロ風味のチョコレートケーキ、長崎産 苺 “さちのか”のズコット、ジェラートの盛合わせ
ズコットはトスカーナの伝統的なドルチェで司祭様がかぶる半球状の帽子に形が似ている事から名付けられたそう。
レシピ探してたら、2000年のレシピ、え、10年以上前! 僕が青山でシェフやってた頃です。 あれ、チョコレートケーキもベースはそのころ考えたものだし。
ズコットは本来リコッタチーズを使うのですが、苺との相性を考えて、マスカルポーネチーズで、胡桃と松の実を刻んで入れます。 セレーノの九州方面仕入れ部長(母ですが
)が青果市場で直接買い付けてくれるので、たっぷりと苺を贅沢に使ってます。
表面のスポンジのピンク色はイタリアのリキュール、アルケルメスを使っています。 独特の風味がして面白い味なのですが、ソムリエの評判はいまいち・・・ ま、イタリアっぽさを出したということで。
ジェラートは今回、林檎、柚子、ブルーベリーヨーグルトなどを中心に。 柚子は宮崎の西米良村というところから直送していただいたものです。 柚子の皮をコンフィにして細かく刻んで混ぜ込みました。 柚子の果汁をそのままジェラートにしたので爽やかな風味です。
今年は初めて苺のサンタの作成にも成功しました。 ちょっと一日目は失敗して、銀河鉄道999の車掌みたいになってしまいましたけど。 もうものにしたので、来年からはいけます!
そんなこんなで長々と解説してみました。 手間がかかってるわりに、見た目が地味になりがちなのですが、それもセレーノスタイルという事で!
クリスマスご来店していただいた皆様有難うございました。 来年もまたお待ちしてます!
今年予約できなかった皆様、来年はお早めにお願い致します。 たのしいクリスマスをお約束いたします。
今年ももうあと少し、一年の締めくくり、ラストスパート頑張ります!
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