今日28日でセレーノは今年最後の営業日。 明日からはニス塗り、ワックスがけと年末の大掃除頑張ります。 年末やらないのとかお節やらないのとか、と仰って下さるお客様もいらっしゃいますが、毎年除夜の鐘を帰りの電車で聞くという生活を数年間送っていたトラウマ(?)31日はリアルタイムで紅白を見ると決めているので…、お節は日持ちするような料理を普段から作っているわけではないのと、どうしてもお正月の和のお節に勝てる気がしないのでやりません。 昔雇われていた時に常連のお客様の要望で作ったことありますが、ほぼ茶色のお節なんて見栄えしないし、日持ちしないので早く食べて下さいなんて言わなきゃなんないし… お煮しめも栗きんとん、煮豆、田造り、蒲鉾とお節に入るものは僕の好きなものばっかりなので正直勝てる料理が思い浮かびません、ゴメンナサイ。
新年は少し遅めに8日(木)からの営業ですが、毎年、年明けは静かな日が続きますので(泣)、皆様セレーノを助けると思ってご予約お願いいたします。 1月は3回目となった日本ワインの会を予定しておりますのでよろしくお願いします。 詳細は後日発表いたします。
クリスマス、年末と皆様ご来店本当にありがとうございました。 バタバタした日もあってご迷惑おかけしたこともあったかもしれません、すいません、そのライブ感もセレーノの一部と思って楽しんでいただければ幸いです。
今年のクリスマスメニュー楽しんでいただけたでしょうか? いろいろ盛り込みすぎな面もありましたが、少し備忘録的に解説を。
実はもともと自分の店を持ったらクリスマスは通常メニューで行こうと思ってたのですが、最初の年にお客様にやらないのと言われてやっぱりクリスマスやったほうがいいのかな?と思って始めたら、有難い事に毎年来て下さるお客様が増えて、今に至ります。
セレーノでクリスマスメニューをやろうと考えた時にまず思い浮かんだのは全力でやってみようというものでした。 クリスマスだから料理の出方やオペレーションを気にした料理ではなくて、クリスマスらしいその時だけに食べられるコースにしたいと。 そして生まれたのが今のクリスマスメニューです。 華やかさはありませんが、イタリアのクリスマスらしさを詰め込んだ内容になっています。
まず前菜は6種類、以前何かの本でクリスマスの料理の数はキリストの使途の数にちなんで12~13種にするという話を読んだことがあったので、逆算してこの数になりました。 イタリアの25日に親戚一同が集まって行うクリスマスパーティーをイメージして盛り合わせにしました。
毎年定番でバッカラ・マンテカートと冷製のザンポーネはこの時だけ作っております。 バッカラ・マンテカートはクリスマスイブは精進の為、魚料理そしてなぜか干し鱈の料理が多いことから考えました。 以前イタリア旅行に行かれたセレーノのお客様に“何が美味しかったですか?”と聞いたら、ヴェネツィアのこの料理を挙げられて、なら作ってみようと思ったのがはじまり、ある年、イタリアの干し鱈を注文し忘れたら品切れで困って自家製で北海道の真鱈でつくったら評判が良く、それからは自家製のものです。 真鱈を塩漬けにして、冷蔵庫で乾燥させ、ピチットシートで1週間くらい毎日シートを代えて乾燥させます。 乾燥した鱈をニンニクと牛乳でじっくり水分がなくなるまで煮込んだら、温かいうちにオリーブオイルを細くたらしながら木べらで混ぜ込んでいきます。 まるで鱈のマヨネーズ、少しシナモンや胡椒で香りをつけ出来上がりです。 作ってみるとオリーブオイルを入れただけでこんなペーストができるなんて不思議な気がします。 どうやって思いついたのだろう。じゃが芋や生クリームを入れたブランダードという料理がフランスにもあります。
冷製のザンポーネはイタリアにはありません。 年末に食べられるものとして温かいサンポーネやコテキーノとレンズ豆の煮込みは定番ですが、イタリアでも脂っこすぎて賛否両論のようです。 僕も調理済みのパックのイタリアのものを食べた事ありますが、ゼラチン質がくどい感じのものでした。 でもそこを減らすとただのソーセジだしと思いついたのがこの料理、きっちり豚足煮込んで、冷やせば食べやすいはず、レンズ豆もサラダにすれば重くないだろうし… 一度年末の忙しいときにTV局の方が“ザンポーネを作ってらっしゃるということで取材したいのですが”とお電話いただいたのですが、お断りしました。 まったくイタリアのものと異なるオリジナルですからね~
さて豚足は茹でこぼした後、1時間くらい煮込みます。 皮を抜くだけだともう少し短い時間がきれいに剥けるのでいいのですが、その後煮込んでも豚足感が前面に出てしまうので、少し破けますが長めに煮てます。 豚足の皮から骨を抜き、間のスジや肉を取り分けます。 その筋や肉と豚の挽き肉で詰め物を作り、豚足の皮で包むようにしてソーセージにします。 豚足を煮たブロード(茹で汁)で一時間ほど80℃を保ちながら煮たら出来上がり。 今年はグリーンオリーブとケッパーで作ったサルサを添えました。
南イタリアではクリスマスや大晦日に“カピトーネ(大ウナギ)”を食べます。 うらやましいことに天然鰻! アダムを誘惑して知恵の実を食べさせた悪魔の化身の蛇に例えて、食べることで悪魔祓いというなんとも凄い習慣。 トマト煮込みやフリット、炭火焼き、マリネなんかで食べるようです。 セレーノでは鰻というとどうしても蒲焼と比べてしまうということで、同じ長いものということで穴子です。 鰻より扱いなれているということもありますが… 今回は“穴子のモザイコ ドライトマト風味”です。 いつもは赤ワインやバルサミコで無難に煮込んでプレッセすることが多いのですが、同じものばかりではつまらないかなと思い、ドライトマトとハーブで煮込みました。 穴子はさばいて、皮面だけお湯をさっとかけて、臭みの元となるぬめりを落とします。 ドライトマト、、フレッシュトマト、ハーブ、白ワインを加えた水で落し蓋をして30分ほど煮込み、型につめて上からプレスします。 冷やして冷蔵庫で一晩おくと自分のゼラチン質で自然とくっつきます。 煮汁は煮詰めてソースに、無駄のない料理です。
他の3種類は毎年野菜料理、魚介料理、肉料理と平均的に。
野菜料理? 今回は“ブッラータとアメーラトマト”、何年か前からブッラータ、日本で凄い流行ってるみたいなんです、ビストロの前菜でも登場するほど! てんこ盛りの生シラスのブルスケッタとか流行り出すとみんな同じ料理やるんで、アマノジャクな僕はほとんどやりませんが、たまにはイタリアらしい典型的な料理をということでブッラータもってきました。 フルーツを合わせようかなと思っていたんですが、年末にトマトが高騰してきたので(笑)普通にフルーツトマトをあわせることに。 それだけだとつまんないかなと思って、豊穣や子孫繁栄の象徴でもある柘榴(西洋でもアジアでも似た意味なのが面白い)とフェンネルのオイルを添えました。
魚介料理は、ギリギリまで悩んでいたら、市場で出物の天然アワビを見つけたので小さいけどこの値段で買えることめったにないなということで決めました。 “岩手産 蝦夷アワビのヴァポーレ” 青山でシェフやってた頃は天然鮑まだ安かったし、その頃コース一万円という高級店でしたので良く使ってました。(30年近く前なので、今も続いてたらいったいいくらのコースのお店になってたんだろう) ロワイヤルという洋風の茶碗蒸しみたいなものに鮑を添えて、野菜のコンソメとアワビの出汁をあわせて、軽くとろみをつけたソースをかけたもの。 今考えると創作に走り過ぎて何料理かわかんないけど… まあ今回はシンプルに蒸しました。 アワビの表面を軽くこすってあげて、器に入れて、白ワインをふり蒸し器で一時間くらい蒸します。 蒸した肝は裏ごしして、イタリアンパセリとニンニクを牛乳で煮こぼしたものを加え、細かくピュレにして、水分を加えて沸かしてソースにします。 本当はもっとシンプルなソースにしたかったんですけど、味見したらかなり苦い肝で(採れた海域や食べてるもので差がある)伸ばしたので濃度も薄くなってしまいました。 蒸した鮑だけでも美味しいので、そちらは軽くオリーブオイルをかけるだけにして別添えに。 やっぱり天然は風味が違います。
肉料理は“鹿と猪のモルタデッラのソテー” クリスマスメニューは裏テーマでセレーノ・オールスターズというのもありまして、一年間フェアなどでお世話になった業者さんの食材をなんとか少しづつ使っております。 長野 大鹿村の信州鹿と長崎 江迎町の天然猪、ジビエフェアの2台巨頭をあわせてボローニャ風ソーセージを作りました。 毎年無理を聞いてもらっている二つのジビエの地域の方に感謝の気持ちを込めて。 まだ前菜なので少しキレを出したくてグリーンマスタードのソースを添えました。
いつも通り地味な色目の料理が並びました(笑) 今年はトマトの赤があるだけでもマシかな…
さて温かい前菜は毎年フォアグラです。 まあ単純に一年に一回くらいはフォアグラとトリュフ食べましょうという不純な動機。 僕は昔フォアグラが大好きで見かけると修業のためと言い訳して食べていたのですが、ある時、今年閉められた有名なフレンチでアラカルトでフォアグラ頼んだら見たこともない塊が… 多分一羽分の半分の小さい方だったような気がします。 それ以来満足してフォアグラには手を出さないようにしてます(笑) フォアグラというとフレンチの定番の素材のイメージですが、はるか昔古代ローマ時代の貴族も食べていたようです。 世界中の食材を取り寄せ、寝ながら満腹になったら、鳥の羽で無理矢理嘔吐して食事を続けるという饗宴を毎日のように繰り返していた時代、フォアグラの作成法も開発されました。 もともとエジプトで渡り鳥の肝臓を食べていたようで、さらに美味しくということで鵞鳥に干しイチジクを食べさせることで肝臓を肥大させ、“イチジクの肝”と呼ばれたフォアグラを作っていたようです。 まだ、この時代は新大陸が発見されていないのでとうもろこしはないので。 今回はハンガリーの鴨のフォアグラをソテーして柚子のマルメラータを添えました。 柚子は和を感じさせるのでセレーノではあまり使わない素材ですが、心の師匠のお店ビストロSさんにお伺いした時に、庭に柚子の木があって、大量になるからといっていただいたんです。 「これ使える?」って聞かれたときに香りをかいだら、無農薬で練馬で育ったせいか全然違う柑橘の香りがして、あ、フォアグラにって閃いて、「全部下さい!」と無理なお願いをしてもらってきました。 皮でジャムを作って、そこに柚子のしぼり汁を加えてソースにしてます、フォアグラの脂を少し軽くしてくれます。
パスタはいつも2種類、トラウマのトルテッリーニともう一品、いつもはスカンピやウチワ海老、オマールなどが来ることが多いのですが、今回は特別な材料が入ったので、いつもと違う流れに。
まずはトラウマのトルテッリーニ、あ、メニュー名は“青森産 津軽鴨の自家製トルテッリーニ そのスープに浮かべて”だった(笑)長くブログを読んでくださる方は、もう耳タコかもしれませんが、僕が修業をはじめた一年目の六本木の店でクリスマスのパスタがトルテッリーニだったんです。 クリスマス前日に明日のメニューはこれでいくと渡された紙には見慣れない文字! 存在は知ってましたが、イタリア料理をはじめて一年もたっていない僕は作ったこともないパスタ、そして入って三か月目で先輩がいなくなった僕がパスタ場をまかされているという状態、危機です。 できないって言った途端、仕事はさせてくれないし、失敗したら干されるという過酷な調理場。 もうパニックになって死にそうでした。 シェフに恐る恐るお伺いをたててみると“おまえにそんなのできるわけないだろ?”と一喝! もう一品のパスタは作れと言われ(それも作ったことのないパスタ?)戦々恐々で迎えたクリスマス当日出来合いの乾燥のトルテッリーニが届きました。 はーと一安心したもの、こんなものこんな高い店で出していいのかと不安は隠せませんし、もし僕が仕事出来たらちゃんと手造りだったのかなと思ったり、料理人になって最初のクリスマスは散々な日になってしまいました。 これがトラウマです、ということでセレーノでは一年目のクリスマスから夜なべしてでもムリクリトルテッリーニは手造りしてます。 北イタリアのクリスマスの定番とはいえ、ロングパスタが好きな日本人には受けも悪いし、見た目も地味なので郷土料理にこだわっている店ぐらいしかほとんどやっていない現状ですが…
今回は今年からセレーノのメニューに加わった青森産の津軽鴨を使っています。 今まではフランス産やハンガリー産のバルバリー鴨を定番として置いていたのですが、欧州の鳥インフルエンザの影響で仕入れも安定しないし、価格も高くなってきていて、色々日本の鴨を試してみてたどり着いたのが、この鴨です。 幸いお客様の評判も良く、胸肉は仕入れも安定していて大きさもちょうど良いものが揃うのでメインの定番素材として活用しています。 トルテッリーニは鴨のガラとモモ肉を使って作りました。 ソース用でいつかガラ使おうかなと思っていたのですが、なかなか出番がなく、今回スープ用としてとってみました。 結構肉がついててびっくり、普通にブロード(出し汁)とったらクセがなくてすっきりしたものになりました。 次回は香味野菜の配合とかガラを焼いてみるとか鴨の脂を入れてみるとかして、ちょっとコクを出すのもいいかもしれません。
トルテッリーニは、宿屋の主人がヴィーナスのおへそをのぞき見して、その形を真似て作ったという伝説のある伝統的な北イタリアの詰め物パスタです。 むこうだと肉なんかよりご馳走感があるマンマの料理らしいのですが、日本ではそれほど人気はありません。(普段からローストした肉とか食べている人たちにとっては一個一個作るパスタって手が込んでいると感じるのかも?) 今年の中身はだしを取った鴨のせせりの部分(旨味ができる前にブロードから首だけ引き上げました)鴨のモモ肉とじっくり炒めた玉葱とほうれん草、パルミジャーノチーズでペーストをつくり、少しだけシナモンで香りをつけました。 シナモンは臭み消しとかではなく、鴨のブロードがあっさりだったので少しアクセントがあったほうがイイかなと思い、バランスをとりました。 まあ見た目はワンタンですが一個一個指に巻き付けて指輪のような形を作るので手間はかかってます。 19年かかってやっとこの小ささに作れるようになりました。 ボローニャでは小さければ小さい方が良いとされているようで、昔デパートのイタリア展に来日して実演販売してたアルバの有名なレストランのシェフはすごかったです。 ものすごいスピードでそして小さい! (ガラス越しに30分ぐらいずっと眺めてたので不審者扱いされたかも(笑) おばあちゃんと呼べるぐらいの年齢で真っ赤なマニキュアと指輪をつけた手で次々と魔法のように作ってました。 指なんかぼくよりごつそうな太い指なのに… 熟練の技は凄かった… 僕もああなりたいと思いましたが一年に一度クリスマスの時しかやらないのでなかなか。 セレーノを始めたころは、一回のクリスマスで全部で500個ぐらい作ってたので真夜中に夜なべして作ってました。 生地を伸ばしたらすぐに包まないと乾いてしまって駄目だし、生地が薄いので後で霧吹きというわけにもいかないし… まあ今は300個近くで済んでいるので、のんびり昼間の暇なときに作っていますが、キッチンがワンオペのセレーノでは同時進行で他の料理ができないので、仕込みのスケジュールを圧迫してます。 まあ、トラウマ解消のため(笑)だからしかたない。
いつもは、海老、蟹系のパスタがでて、2皿目のパスタですが、今回は長野の香茸が手に入ったのでそれを食べていただきたくて順番を代えました。 でも実際にお出ししてみると逆でも良かったかなと思いました。 思ったより香茸の香りが強すぎて、メインにかけるトリュフの香りがあまりしないという不測の事態に… うーん欲張り過ぎました。 幻の茸と言われ、松茸より高く取引されることもある香茸、今回は僕の昔の仲間で今は食べ歩き友達のH君が長野の山の中にある茸屋さんで仕入れたのを分けて貰いました。 独特の香りと旨味ですから、料理のバランスを崩しかねないので使うのは少量にして、同じ茸のポルチーニ茸のクリームでやわらげてあげる感じで考えました。 ポルチーニはもちろんイタリア産、10月の終わりの最後の入荷でクリスマス用にソースをつくって冷凍保存しておいたものです、少し食感も欲しいなとと思ったので軸の部分は生のまま冷凍して、後でソテーして加えました。 香茸とポルチーニのパスタなんてやり過ぎですね、いつもポルチーニのパスタにトリュフふってる人の料理にケチつけてるのに(笑) せっかくクリスマスだから豪華にしようと張り切り過ぎました。
さてメインは宮崎産の黒毛和牛のヒレです。 いつも“宮崎あか牛”を仕入れさせていただいてる宮崎の田原さんにお願いしました。 この時期普通に和牛のヒレとか高くなるので通常の値段で確保して下さるのでいつも助かっています。 今年は “宮崎産 黒毛和牛ヒレ肉のストゥルーデル仕立て トリュフ添え”です。
すいません、大掃除で腰をやられて続きが書けませんでした… 新年に加筆して完全版としたいと思います。
ではでは、今年も一年早かったなと思いながら今宵は紅白を見ます、新年は2,3で箱根駅伝見て、川越大師に厄除けに行ってきます、来年もセレーノをどうかよろしくお願いします。 (毎年大掃除で腰と膝をやられ、新年は寝正月というかほぼ療養になるルーティン、いつまでできるのか…)
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