ポルチーニフェア、皆様ご来店有難うございました! 2回3回とリピートして下さったお客様も多くて、値上がりでもう来てくれないんじゃないかと恐れおののいておりましたが皆様のご理解をどうにか得て、最後までやり切ることができました、本当にありがとうございました。 後半戦は順調にポルチーニ入荷したこともあり、かなりハードでしたが、休みに整体にいってどうにか乗り切りました、先生にはもっと早く来ないとと言われましたが… なんかポルチーニフェアって、有難いことにポルチーニの料理ばかり出るので、調理場では細かい小さな動きが多く、鍋もいつもとは違う振り方をするので地味に体全体が強張った状態になるんですよね~ コックコートを着ると動けるのですが、家では役立たずでほぼ寝たきりでした(笑)
さてポルチーニの切れ目が… ということで、(あんなに常連のお客様に来ていただけたらそうなるか) フェアが開けたら心配して来てくださるお客様だけで、閑古鳥が鳴いておりました。 まあ、いつものことなんで嘆いてばかりはいられません。 この間に自分をレベルアップさせないと、お勉強の時間です、ということで久々の京都修業です。
最後にいったのが2016年ですから、コロナも挟んでたせいで7年ぶりです。 京都で若い頃働いてた父に誘われ、いざ京都に参上!
気合いを入れるため(なんの?)、着いたらすぐご飯なのに、駅弁からスタート、ソムリエの買った国技館の焼き鳥ももらいつつ、やっぱり汽車には駅弁がつきものですね~
さてお昼について最初のお店は、父のリクエストで京都駅の和久傳さんに、去年食べれなかったリベンジみたい、予約しないと無理な人気店です。京都が一望できるカウンターが人気ですが、この日は落ち着けるテーブル席へ。
まずはお近づきの印に竹筒のお酒をいただきます。 酒器もキンキンに冷えた竹で香りに清々しい感じに。
お造りは鰆、外国の方も食べやすいようにでしょうか、酸味のあるジュレがかかって、秋らしく菊花もあしらってあります。 サワラは感じは春ですが、関西では秋の魚、最近は刺身で食べるのはやりましたが、元は岡山とかが有名でした、身割れしやすいし、アシも早いですから。 脂がのってて美味しいです。
お椀は鴨のつみれです。 いろいろな茸と九条ネギがあしらわれ、ちょっと濃い目の出汁、そういえば和久傳さんは京都駅のランチしか行ったことないから、他はどんなお店何だろうなんて考えながら

焼き物は鯛柚庵焼き、栗がすりおろしてかかっておりますイチヂクが添えてあり、全体的に甘い印象。 そういえば、フレンチの大御所の方も栗をすってモンブラン仕立てなんて料理があったな、今度僕もやってみよう(笑)

おひたしはホウレン草と茸、ほのかに松茸の味、天に大根おろしといくら。この薄い茸は松茸? どこ産? 恐れ多くて聞けませんでした。 こういうおひたしは違いが出ます。 昔、和食の手伝いに行った時、その作り方に仰天しました。 一度八方だしにつけて、それは薄まるからと捨て新しいだしに漬けるんです。僕らだったら計算して濃い目にするんだけど、やっぱり香りも違うのかなと思いました。 見えないところにすごい時間がかかっているのが和食です。
次は煮物、炊き合わせかな、餅巾着と小蕪、銀杏の丸仕立て、すっぽんの出汁とは豪勢な、身は入っておりませんが、濃い目のだしと僕の好きな餅巾着が入って満足。

ご飯は選べます。 父は好きな鯖寿司、ソムリエは鯛黒寿司、写真のやつです、鯛の量がご飯の量に対して多いのですがさっぱりして美味しい。 ぼくはにしんうどん、細目のうどんで、あっさり目に炊いたニシンが美味しいです。

お菓子は薄焼きせんべいに実山椒の餡がはさんであります。 お番茶とともに。 口の中がさっぱりしてこれはこれで。 前たべた代白柿が出ないかなと期待していたのですが、残念。
結構のんびり食べたのもあるのですが、ここまで時間が2時間ぐらいかかったのでこの後、ちょっと…
ここで父とは一旦別れ、ホテルに荷物を預け、僕らは岡崎のほうの京都市動物園へ、たまたまインスタをみてたらハマってしまい、毎日なにかしらの動物に癒されています。 以前行った時は月曜日で休園だったので、今回は張り切って行きました。

僕の一番の推しのシロマティーに会えたし、ケープハイラックスも、ヤブイヌのデンマルにも会えたので大満足でしたが、ランチが思ったより長くて、入園した時間が遅くて、みんな部屋のほうに戻った状態で、自然のところで遊んでいる姿が見れなかったのが心残り… 今度は開園と同時に行くしかないか(笑) シロテテナガザルのシロマティーは写真を撮ろうとするとこちらに顔を向けてくれる優しい子でした。 相棒のクロマティーはハンモックから出てこなかったけど
さて後ろ髪をひかれながら、夜の修業へ。 久しぶりの“和ごころ泉”さんです。 2009年の父との最初の京都旅行でお伺いした思い出のお店です。 その後も一度お伺いさせていただきました、今回で三度目。 その頃は新進気鋭の料理人として取り上げられていた方ですが、今や二つ星、修業先でもあった名店“桜田”さんの場所を引き継ぎ、移転なさってさらに洗練されたお料理をいただいてまいりました。


最初にあられの入ったお茶、ぶぶ漬け、お近づきの印にと日本酒、以前は食前酒だったような気も。 先付けは綺麗な茄子の形をした錫の器で、翡翠茄子とウニの博多蒸し、酸味のあるソースにとろみがついてるのですが、葛でしょうか、面白い食感。 やっぱりウニと茄子の組み合わせは最強ですね。


椀物は鱧と松茸、脂がのってきた落ち鱧と松茸の組み合わせは秋ならでは、今年初めて食べた松茸は山形産、香りと歯ごたえが何とも言えません。 自家製厚揚げの上に鱧がのっているのですが、梅肉が出汁に散らないようにでしょうか? だしは昆布の風味がよく、鰹節は抑えめで柔らかい綺麗な味、美味しいです。 お椀自体も素晴らしくて黒一色の蓋をとると裏に秋らしい雁と月が金で描かれてなんとも品の良い器。 季節ごとに器が変わるのも和食の醍醐味ですね~

向付は、皮目を炙った金目鯛、京都では珍しい大間の鮪、鯛、カンパチ。 生モノが得意ではない僕ですが美味しいものは別(笑) 鮪はものすごい美味しさでしたが、京都だったら他のものがいいかな、あ、でもお客様のウケも大事か。

ここでお凌ぎでしょうか? カマスとむかごの飯蒸し。 滋味深い味です。 日本酒を飲んでると途中でこういうのもいいものです。

そして趣向を凝らした八寸、名物の玉子カステラ、どっしりした食感なのに上品な甘さと軽さ、いくら、柿なます、丹波の黒豆の枝豆、つまみ菜のお浸し、鴨ロース。 どれも一品一品仕事がしてあって、見た目も美しく、紅葉した葉があしらってあって、秋の彩。

焼き物は、子持ち鮎です。 鮎食べたいけど、夏じゃないからと思ってたら、まさかの子持ち。 鮎の落ちてくる脂をじっくりまとわせるように長時間かけて焼きあげる特徴的なカリカリ焼き。 鮎の風味が少し落ちる子持ちの時期ですが、香ばしさとあいまり新しい美味しさに昇華。 川面を模した大皿で供されます、こういう演出も凄いですね。 蓼酢じゃなく蓼おろしが添えてあったので前からこうでしたっけと聞いたら、2年ぐらい前からとのこと。 蓼酢の酸味が邪魔に感じることもあったので、おろしというのは途中でさっぱりさせる薬味としていいですね~

次は蕪に渡り蟹、こちらでは菱蟹ですかねと海老を挟んだもの、想像より優しい味でいったん口の中をリセットして次につながるお料理でした。
炊き合わせ、甘鯛と山形の甚五右ヱ門です。 てんに生姜、甘鯛は焼くより、こういうしっとりした方が好きです。 芋は初めて食べた品種ですが、ねっとりしてるのに里芋のくせが全然感じられない上品な芋でした。

そして〆は炊き込みご飯、赤米と胡桃のご飯、面白い形の土鍋です。 胡桃のご飯は初めてですが、古代米の旨味と合わさって美味しいです。 そして赤だし、京都はやっぱり赤だし美味しいですね~ 他で飲むのとは全然違います。 余ったご飯は夜食としておにぎりに。 ホテルに帰って2個も食べちゃいました。

水物、メロン、梨、葡萄、南瓜の蒸し物。 料理屋で果物を生で出すというのは、本当は難しいものなんです、贅沢。 ちょっとジュレみたいなのがかかっているのも一体感が出ますね。 セレーノで果物のコンポートを出すのは、水菓子の代わりになにかできないのかと思ってやっております、それでシンプルにそのものの味を生かす仕立てにしてます。 コンポートって今さらレストランで出してるところもほぼありませんしね~

最後に鳴門金時のお菓子とほうじ茶、このお菓子がすごく柔らかく、お芋で作ったとは思えない軽さ。 芋使うとどうしても重い方に持っていきがちになりますが、これはこれで、風味として生かす方向性もありか、今度考えてみよう。
献立の流れに緩急が効いてて、随所に季節感があって、素晴らしいお料理でした。 最近の華やかなこれでもかという派手な和食と違って落ち着いた京料理を堪能しました。
京都一日目はここで終わり、二日目はまた今度書きます。 長すぎるので… ジビエフェアもはじまるのでいつになるか、わかりませんが…
さて“国産ジビエフェア”は11/11(土)から12/10(日)まで、もう仕込みは全開で始まっております。 いつも通り鍋も火口も足らないくらいてんてこ舞いです。 今年は初日から長崎 江迎の天然猪、小さいですが入荷します。 焼きで食べれる部分は少ないので早めにご予約お待ちしております。 長野の信州鹿と江迎の天然猪でいろいろなジビエの美味しさを表現したいと思います。
ではでは、ジビエさばくとなんでこんなに腰にくるんだろうと思いながら、今宵も大山 セレーノで皆様のお越しをお待ち申し上げております。 (ああ、それは年だなって天の声が聞こえるような、あれ?みんなの声か…)
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