« クリスマスは大山で? | トップページ | 酉年 1 »

2016年12月28日 (水)

年の瀬

 クリスマスご来店ありがとうございました。 例年通りバタバタで、料理にお時間もいただき、なかなかゆっくりお見送りもできず申し訳ありませんでした。 その分、お詫びもかねて、トリュフをふらせていただきました。 黒トリュフ堪能していただけたでしょうか?

 さてどうにか一年の最大の山、クリスマスを越したセレーノですが、25日クリスマスで営業したので脅威の11連勤、29日までノンストップでいきます。 ブラックな感じですが、自己責任ということで。

 新年は6日からです。 お節に飽きたらセレーノでということでよろしくお願いいたします。 是非新年のご挨拶をさせて下さい。

 クリスマス中は料理に関してゆっくりお話しすることができなかったので、この場をかりて・・・

 もうセレーノでは10回目のクリスマス、だんだんメニューも安定してクリスマスコースの定番っぽいものもできて参りました。 毎回のようにクリスマス来て下さるお客様もいらっしゃいますので、毎年少しづつ変化は少しさせてますが。

 クリスマスコースは12~13品で構成されています。 最初の前菜が6種、温前菜でフォアグラが1種、パスタが2種、メインが1種、デザートが3種になります。 料理の数はキリストの最後の晩餐の使徒の数にちなんでというのをものの本で読んでそれに倣っております。

 さて最初の前菜ですが、6種類の盛り合わせでお出ししております。 イタリアではクリスマスの25日のお昼に一族みんなでテーブルをかこんで、大宴会となります。 そのパーティーの感じを演出したくて、人数分を一つのお皿に盛り込んで取り分けていただいています。 一皿で色々楽しんでいただけると思います。

 前菜一つ目はとちぎ和牛のブレザオラ、赤ワインに漬け込んだ牛もも肉の生ハム、塩漬けにした後、赤ワインに漬けて塩抜きをして、乾燥熟成させてます。 ルッコラのソースとルッコラセルヴァティコを添えて、さっぱりと。

 二つ目は真鱈のバッカラ・マンテカート、去年まではバッカラ、干し鱈で作っていたのですが、今年は北海道産の真鱈で自家製してみました。 塩漬けして乾燥させた鱈を牛乳や香草とともにじっくり煮込んで、水分がなくなるくらいまでなったら、シナモンを少々ふり、オリーブオイルをすこしづつ混ぜ込んで、木べらで混ぜ込んでいきます。 ツナサンドの中身みたいなのができますがマヨネーズが入っているわけではありません。 鱈のゼラチン質と水分とオリーブオイルだけ。

 三つ目は穴子のトロンケット バルサミコ風味、 クリスマスになぜ穴子?と思われるかもしれませんが、イタリア南部のナポリあたりではクリスマスにカピトーネと呼ばれる大きな鰻を食べる習慣があるということで、セレーノでは鰻の代わりに穴子で。 どうも悪魔の象徴の蛇をイメージして、代わりに鰻を食べて邪気払いするということのようです。 鰻はどうしても蒲焼や白焼きが美味しいと思うので、料理の幅がある穴子で代用しています。 穴子は白ワインとバルサミコでさっと煮込んで、型に重ねて入れ、重石をして冷やします。 穴子のゼラチン質だけでぴったりと層になってくっつきます。 穴子とバルサミコの煮汁をつめて、ソースとし、最後にピンクペッパーをふって。 

 トロンケットというのは切り株のこと、フランスでいうとブッシュドノエルでしょうか。  薪をイメージしたブッシュドノエルは、クリスマスの夜はキリストの生誕を祝って家族そろって暖炉で薪を燃やしていたことにちなんでとか、貧しさで恋人にクリスマスプレゼントが買えなかった青年が少しでも暖まってもらいたいと薪をプレゼントしたことに由来するとも言われています。

 4つ目は信州鹿と天然猪のモルタデッラ、ジビエフェアでも食べたよという方もいるかもしれませんね。 レンズ豆の煮込みのサラダを添えました。 レンズ豆はコインの形に似てることや、煮ると2倍になり増えることから金運がアップするという幸運のシンボルとされています。 いっぱい食べれば、億万長者!

 5つ目は七面鳥のスモーク、七面鳥を食べる習慣というのはアメリカから逆輸入的に入ってきたもので、元々はヨーロッパでは食べていませんでした。 イタリアではカッポーネという去勢鶏を食べることが多いようです。 茹でて肉はメインで、そのスープはトルテッリーニというパスタを浮かべて食べるという合理的な食べ方でいかにもイタリアらしい。 七面鳥って名前聞くだけであんまりちゃんと食べたことない人多いんじゃないかと思って入れました。 すごい淡白な身なのでスモークで香りをつけて。

 6つ目は北海ダコのライム風味マリネ、イタリアはヨーロッパでは珍しく、南の方では蛸を食べます。 北海ダコは表面の皮の部分だけソテーして、氷水で冷やします。 薄くカットして、フレッシュのライムとオリーブオイルでマリネします。 マリネすることで柔かくはなりますが、吸盤ごとカットすることで歯ごたえを残してみました。

 二皿目は温前菜でフォアグラを。 セレーノでは一年に一度の登場! フォアグラといえば、フレンチのイメージの強い食材ですが、古代ローマの時代には、鵞鳥に無花果を食べさせて、肝臓を肥大化させる養殖技術が確立されていたそうです。 

 今回はフランス産が鳥インフルエンザによる禁輸処置で使えず、スペイン産のものとなりました。 大きさ以外は仏産の物と遜色がないものでした。 ソースは栗とビーツの2種類を添えました。 栗のソースは、イタリア産の栗の粉と牛乳を煮込んで、そこにフランス産の栗を加えて、粒が残るピュレにしました。 フォアグラとの相性も抜群。 栗の甘さだけだとちょっとくどくなるので、甘いけれど土っぽさが残り、ほのかに苦みのあるビーツのピュレを添えました。

 次はパスタの一皿目、天使の海老とフレッシュトマトの手打タリオリーニ。 

 ニューカレドニアで養殖される天使の海老をさばいて、殻と頭はカラカラと音がするまでしっかりオリーブオイルで炒め、そこにブランデー、白ワインを注ぎ、トマトホールを加え、イタパセやレモンバームの茎とともに40分位煮込んで、殻をつぶすようにしっかり濾します。 身の方は三等分にして、別鍋でにんにくとともに炒め、レモンバームの葉を加え、白ワインをふったら、一旦身を取出し、フレッシュトマトを加えます。 30分ほど煮込んで、トマトの水分が飛んだら、先ほどの頭と殻からとったソースを加え、詰めます。 仕上げに先ほどのソテーした身を戻して、細いタリオリーニと会えれば完成。 見た目はタダのトマトソースのパスタに海老が入っているようにしか見えませんが、少し手はかかってますhappy01

 さてパスタ二皿目はイタリア産 ウサギとポルチーニ茸のトルテッリーニです。

 セレーノのクリスマスでも定番となりましたトルテッリーニ、カステルフランコエミーリアの“コローナ”という旅籠の主人が鍵穴からのぞき見したヴィーナスのおへその美しさに感動して作ったとされる伝説のパスタ。 その起源はボローニャとモデナの長きにわたる諍いの一因ともされているそうで、それというのも宿屋のあった場所は正確にはモデナらしいのですが、宿屋の主人はボローニャ人だったいう記録があるそう。 今でもえんえんと争っているようです。 日本でも元祖と本家とかありますもんね~ こないだも京都にありましたっけhappy02

 今回詰め物の中身はウサギとポルチーニにしました。 イタリア産のウサギは鶏のブロードでゆでて、ほぐして、ポルチーニのピュレと合わせて詰め物に。 茹でたブロードは自家製の乾燥ポルチーニを加え、その味や香りを煮出してから、スープにします。

 トルテッリーニは小さければ小さいほどよいとされるようで、実際何年か前、デパートの催事で日本に来てた有名なトラットリアの女性シェフが作っているのを見てたら、すごいスピードでものすごく小さかったです。 でも僕の指では今回出したので精一杯、ご勘弁ください。

 素朴な味の詰め物パスタですが、ポルチーニの香りで一ランク上の物に。

 メインディッシュは黒毛和種“宮崎牛”ヒレ肉のアッロースト ブラッサートソース フランス産 黒トリュフを添えて。

 今回、ほぼ予約が埋まりかけた時点で気付いたのですが、トリュフの話はちらちら書いてあったのですが、発表したメニューに黒トリュフの文字がないshock まさかです。 トリュフの為に値上げしたなんてさんざんあおっておいて、メニューにない? よくぞ皆様ご予約して下さいました。 ありがとうございます。 誰も(うちのソムリエも)トリュフ入ってないと指摘がなかったのですが・・・ 真っ青になりました。 もうトリュフは予約注文してあるし・・・

 そんなこんなトラブルもありながら、今年も思い切りトリュフふらせていただきました。 少ない量だと香りだけでトリュフを食べた感がないので、わしわし食べれるよう大目に。 1枚、2枚なんて番町皿屋敷じゃないんだから考えず、雪を降らせるイメージでlovely トリュフって美味しいと再確認していただけると幸いです。 巷ではトリュフは香りだけでおいしいものじゃないと思われているようなので、どうにかイメージを変えたいと1年に一度ですが頑張っております。 ソムリエには毎回取り過ぎ、振り過ぎと怒られていますがbearing一度やったものは今更やめられません。

 トリュフもセレーノでは年に一度ですが、肉も和牛のヒレ肉ということで年に一度、やわらかさと旨味が尋常ではなかったです。 ソースは和牛のほほ肉の赤ワイン煮込みをソースとして、ブラッサートソースとしました。 わざと少し煮込んだ肉もくずして入れて、ソースにインパクトつけてます。

 付け合せにはトピナンブールのピュレを、トリュフとの相性の良さから選びました。 トピナンブール、那須の佐藤農場さんにお願いして作ってもらっていたのですが、近くの牧場から逃げ出したイノブタに食べられて、全滅の憂き目に・・・ といことで今回は京都産です。

 トピナンブールは最初皮つきで茹で、少し火が入ったところで取り出し、皮をむいて、先ほどの茹で汁の中に戻して、自然に崩れるまで煮込んで、オリーブオイルと混ぜて、ピュレにしています。 味わいが少し弱かったのでこういう形にしました。 少し土っぽい感じと甘みが牛肉やトリュフと合わさってもう一つのソースといった感じになると思います。

 デザートは、長崎産 苺“さちのか”のズコット、セレーノ特製チョコレートケーキ、ジェラート盛り合せです。

 チョコレートケーキとジェラートは、セレーノのいつもの定番です。 ズコットはイタリア トスカーナの伝統菓子、フィレンツェの大聖堂のクーポラの形を模して、建築家のブォンタレンティがメディチ家の為に作ったとされています。 何故、建築家? もともとズコットはセミフレッドと呼ばれる冷凍菓子で、その食品冷凍技術を開発したのがブォンタレンティっだったそう。 ズコットという名前は司祭の帽子や兵士の兜に使われていたズケットという言葉が変化したものだそうです。

 特にクリスマス菓子というわけではないのですが、僕のレシピでは日持ちしないので、クリスマスのようにコースで一気にデザートが出る時でないと作れないので、これも1年に一度のデザートです。

 ドーム状の型にスポンジをクーポラの形で敷きつめて、その中にマスカルポーネと生クリームでアーモンド、苺で作ったクリームを詰めます。 ちなみに中身の構成は苺との相性で考えたものなので伝統的なレシピとは全く違い、オリジナル。 生の苺が入っているのでセミフレッドにもしません。

 またまた長くなりましたがすいません。 今年はお料理の量はいかがだったでしょうか? 多い多いと言われるので加減しながらお出ししているのですが、もし足りなかった方は来年お申し出ください。 お腹一杯になるまでお出しします。

 クリスマスご来店ありがとうございました。 来年は更にパワーアップして、皆さんに楽しんでいただけるようなクリスマス料理を作れるよう頑張りますので、宜しくお願い致します。 来年は期間を4日間から3日間に減らすかもしれませんので、ご予約はお早めにお願い致します。

 ではでは、1年たつのが早すぎてなんだかビデオの2倍速みたいだなと思いながら、今宵も大山セレーノで皆様のお越しを お待ち申し上げております。
    

  

 ブログランキングなるものに参加してみました。 応援よろしくお願いします。
               
もしよろしければ、ワンクリックお願いします >>>>  にほんブログ村 グルメブログ イタリア料理(グルメ)へ

« クリスマスは大山で? | トップページ | 酉年 1 »

セレーノについて」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/470945/69019908

この記事へのトラックバック一覧です: 年の瀬:

« クリスマスは大山で? | トップページ | 酉年 1 »