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イタリアンと日本酒の饗宴 ~小西酒造×Sereno

 梅雨明けしたと思ったら日本は大変なことに、皆様天候にはくれぐれもご用心ください。 僕の実家も、すぐ近くが崖すべり地帯ということで心配でしたが、なんとか持ちこたえたようです。

 三連休は暑くなりそうですが、14(土)15(日)営業致しまして、16(月)お休みをいただきます。 14日は満席となりましたが、15日はまだお席があります。 皆様のお越しをお待ち申し上げております。

 さて先日の5日、セレーノではお昼に“イタリアンと日本酒の饗宴”が開催されました。

 天文19年創業 460年以上の歴史をもつ伊丹の小西酒造 さんをお迎えして、日本酒とイタリア料理のマリアージュを体験して頂く試みでした。 

 え、そんな会知らない?って声が聞こえてきそうですが・・・

 すいませんwobbly 12名の募集でしたが、大山まで来て頂けないだろうとタカをくくってて、お知らせするタイミングを逃してしまいました。 

 僕らも以前イタリアワインの講座なんかで生徒としてお世話になったこともある朝日カルチャーセンターさんの主催で行われたのですが、カルチャーのコアなファンの皆様ですぐに満席となってしまいました。 本当にすいません。

Dsc01527 今回は6種の日本酒と、夏ということで小西酒造さんが輸入されている2種のベルギービールにイタリア料理を合わせるというセレーノとしては初めての試みでした。

 時間的な余裕もそれほどなかったので、小西酒造さんにおまかせでお酒を選んでいただき、それに合わせてこちらが料理をプレゼンするという方法でした。 

 日本中を飛び回っていらっしゃる小西酒造の社長さんにわざわざ打ち合わせの為、セレーノにおいでいただき、こういう料理でいきたいのですがとお話した時はかなり緊張しました。    なにせ老舗の15代目ですから、オーラが違います。 ところが、若輩者の僕にも気さくに話していただき、ちょっとひねった僕の料理にもおもしろいと賛同いただいて、いろいろと日本酒に対する想いも語って頂き、イベントにむけてさらに気合いが入りました。

 普段セレーノでは、一皿一皿をしっかり食べて頂きたいということからアラカルトで取り分けるスタイルでお出ししているのですが、今回はお酒とのマリアージュということですべて小皿料理にしました。 一人で料理するので、オペレーションは考えに考えて臨みましたが、料理の説明はアドリブでしたし、余裕がなくお客様と話すこともほとんどできませんでしたので、ここにもう一度説明を書いておきます。

 今回の料理は、日本酒とのコラボということでいろいろなアプローチの仕方があると思ったのですが、わざわざイタリア料理のセレーノを選んでいただいたということで、奇をてらうことなく、なるべくいつもお客様にお出ししているお料理で料理の流れもイタリア料理の流れでいこうと思いました。 ちょっと日本酒の流れがちぐはぐな感は否めないのですが、料理とのコラボということで小西酒造さんのほうにもOKをいただきました。

 

Dsc01507一皿目: 自家製 ブレザオラとサラミ、トリュフ
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       ヴェデット・エクストラ・ホワイト

 イタリアでは前菜はアフェッタートと呼ばれるハムやサラミがよく食べられます。 セレーノもそうですが、レストランで出される前菜はイタリア料理ではメインになるものを小さいポーションに調整してお出ししていることがほとんど。
 自家製 ブレザオラはシキンボという和牛のモモ肉の部位を塩漬けして、赤ワインに漬け、乾燥熟成させたセレーノの定番料理です。 トリュフの香りのイタリア産のサラミと一緒に!
 最初のビールは凄く華やかな香りの白ビールで暑い日にぴったり、生ハムやサラミの塩分をすっきりと洗い流してくれて、さらに食欲を増進してくれるような食前酒的なイメージで選びました。

 

Dsc01508二皿目:福岡産 白イカとアヴォカドのタルタル仕立て
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           碧冴えの澄みきり純米

 白イカはケンサキ烏賊の地方名、いったん軽く表面だけ焼いて、メキシコ料理のワカモレソースをイメージしたアヴォカドのタルタルと合わせ、アンディーヴを添えて。 すっきりして、後味がキレ上がる日本酒ですので、アヴォカドのもったりとした感じをすーっと取り去ってくれます。 普段はソースの中にハラペーニョソースを隠し味的に使ってキレをだすのですが、今回は日本酒にその役割をしてもらいました。 一緒に日本酒を飲んでいただいてはじめて完成する料理です。 イカは最初は生でいく予定だったのですが、なんだかそれだと旨味が軽いので日本酒のコクに負けないよう焼いてみました。

 

Dsc01511三皿目: 徳島産 岩牡蠣と焼き茄子のインサラータ
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           チーズとよく合うお酒

 セレーノの夏のスペシャリテ “岩牡蠣 焼き茄子のタルタルとともに”を少しアレンジして、岩牡蠣を蒸してお出ししました。 オペレーションの都合で蒸しになった訳ですが、牡蠣がそんなに得意ではないという方にも美味しく食べて頂けると思います。
 岩牡蠣は殻ごと白ワインをふって蒸して、開けたときにでる水分と一緒に剥いた牡蠣を冷やしてカットします。 焼き茄子のインサラータ(サラダ)は、細かく切り、牡蠣との相性を考えてミニトマトを小さくカットしたものを加え、マンダリンオイルとEX.ヴァージンオリーブオイルであえています。 
 “チーズとよく合うお酒”は度数も12~13%と少し低めで、酸味が特徴的な少し変わった日本酒。 飲んだ途端、以前訪れた牡蠣と日本酒のお店で飲ませていただいた酸っぱい牡蠣専用の日本酒を思い出しました。 “チーズとよく合うお酒”は、日本酒の甘みやコクもしっかりあるので単体でも美味しいのがちょっとそのお酒とはちがいますが…  牡蠣のミルキーな感じとか焼き茄子の渋みとかと相乗効果でふくらみが出ると思います。

 

Dsc01513四皿目: 和歌山産 鮎のグリリア ワタのパテとともに
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            大吟醸 ひやしぼり

 初夏からのセレーノのスペシャリテ これはそのままお出ししました。 合わせた“大吟醸ひやしぼり”は近くのスーパーにも置いてあってお手頃なお値段なので、うちでよく飲ませていただいてます。 どんな料理でも受け止めてくれる懐の深さがあるお酒。 正直つまみはなんでもいける気がします。 このイベントで鮎はお出ししたいなと思っていたので、6本の中で一番合う日本酒を選びました。
 この鮎の料理は、鮎の塩焼きの美味しさをなんとかイタリア料理で出せないかと考えて作った料理。 鮎の身のほわっとした淡白な美味しさとワタの苦み、別々にすることでどちらも楽しめ、さらに合わさった味も…
 鮎はおろして、身とアラと内臓に分けます。 身の部分は一塩して、冷蔵庫にしばらく置いて、出てきた水分を拭き取り、味を凝縮させます。 しっかりと皮目をグリルして香ばしさをまとわせます。
 頭や中骨などのアラは、一旦焼いてから、白ワインをふって、水を加え煮込んで出汁を取ります。 ニンニクとエシャロットを炒めたところにワタを加え、しっかり炒めてから、塩。胡椒、カイエンペッパーで味付け、別に焼いた鮎の身を加え、ペルノー酒、ワインを振ってアルコールをとばしたら、先ほどの出汁を入れて20分位煮込みます。 それをフードプロセッサーで回して、ワタのパテの出来上がり。
そえてあるのは白瓜のマリネ。 江戸の夏をイメージ。 鮎には胡瓜なんかをあわせることも多いのですが、ちょっと香りが強いような気がして。
 骨抜きなんか気にせず、鮎一匹丸ごと食べれます!

 

Dsc01515五皿目: 群馬産 味良来トマトの冷たいカペッリーニ 
           女川産 生ウニを添えて
                 ×
             吟醸 ひやしぼり

 いつもはウニのみでつくる冷たいカペッリーニをお出ししているのですが、実は人数が多いとあのレシピではつくれないのと日本酒に合わせることを考えてベースをトマトのパスタにしました。 “チーズとよくあうお酒”もいけるかなと思いましたが、ウニって結構重いので“吟醸 ひやしぼり”の軽やかさでキレをだして後の料理につなぐ感じで。
 味良来トマト、ミラクルトマトと読むそうです。 群馬の糖度の高いフルーツトマトをピュレにして、ニンニクの上澄みオイル、オリーブオイル、細かくカットした味良来トマトを加え、冷たいカペッリーニ〈極細の乾燥パスタ〉であえます。 ポイントは氷水に落として冷やすのをなるべく短時間でやることとしっかり水切りすること。 
 女川直送の剥きたてウニをたっぷりのせ、バジルペーストを添えたら出来上がり。 ウニを食べるためにパスタがある感じです。 やはりウニと日本酒の組合せは最強ですね~

 

Dsc01518六皿目: サルデーニャ産 からすみと千葉産 トウモロコシのスパゲッティ
                         ×
                  江戸元禄の酒 原酒

 江戸時代には下り酒と呼ばれ珍重された伊丹の清酒、小西家に残る古文書をもとに造られたこのお酒は琥珀色のまったりとしたお酒です。 元禄の通な人はこういうお酒を飲んだんだな~と夢が膨らみます。 時代劇では大抵庶民が下り酒なんていいものを飲むと事件に巻き込まれてしまうパターンなんですがwobbly
 通常ならデザートにあわせるか、メインで甘いソースにあわせるのがセオリーなんでしょうけど、このお酒を飲んだ時にヴェルナッチャ・ディ・オリスターノというイタリアワインに風味が似てるなと感じたんです。
 ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノは、サルデーニャのワイン、酸化させることで複雑な風味を出したシェリーに似た白ワインです。 サルデーニャ特産のカラスミとの相性が抜群と言われております。
 そうきたらこれしかありません。 からすみのスパゲッティ! 夏にはトウモロコシを入れることが多いのですが、トウモロコシの甘みも“江戸元禄の酒”の甘みとあうはず、後口に感じる軽い苦みが、からすみの口に残る感じを拭い去ってくれます。
 ちょっと冒険でしたがいかがだったでしょう? イタリアンレストランならではのマリアージュができたと思います。

 

Dsc01522七皿目: 北海道産 仔牛スネ肉のストゥファート
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           濃醇 純米 こくあがり

 メインは、スネ肉のトマト煮込み、ミラノ名物のオッソブーコの骨がないパターンと考えていただいたらいいでしょうか? メインは肉料理にしたいなと思っていて、いろいろ日本酒と料理をあてはめていくと、最後に残ったのが“純米 こくあがり”とメインの組合せ。 ソムリエといろいろな料理を試しながら、こくあがりを飲んで、たどり着いた答えがトマトを使ったオーソドックスな煮込みでした。
 玉葱、人参、セロリなどの香味野菜をみじん切りにし、じっくりと炒めたソフリットをベースとして、小麦粉をふって焼いた仔牛スネ肉、白ワイン、トマト缶、生のトマト、香草を加え2時間くらい煮込みます。 仔牛はゼラチン質は豊富ですが、もともと柔らかいお肉ですのでこのくらいの時間でも十分です。 
 最近は仔牛を使うイタリアン少なくなりましたが、僕の修行時代は必ずどこの店にもありました。 今はメインが炭焼きばっかりでつまんないですね。
 この煮込みはいろいろなお肉でできますが、”こくあがり”のお米本来の旨味を邪魔しないようにクセのない仔牛にしました。 トマト少なめにして、香味野菜を多くして野菜の甘みをいかした仕上がりにして、お酒に寄り添うような感じにしてみました。

 

Dsc01525八皿目:  セレーノ特製 チョコレートケーキ
                ×
             リーフマンス

 最後はデザートです。 リーフマンスはベルギーのチェリービール、これはすんなり決まりました。 甘酸っぱいビールですので食前酒にするか食後酒。 セレーノ特製のドルチェと言えばチョコレートケーキ。 もうこれしかありません。
 日本ではチョコといえばバナナとかケーキだとオレンジですが、ヨーロッパではカシスやチェリーなどの赤い果実をあわせるのが一般的。 ベストの組合せです。

 セレーノでは普段はノチェッロという胡桃のリキュールをいれたチョコレートケーキをお出ししているのですが、それだとチェリービールと合わせた時になんか味の要素が多くてビールが活きないかなと考えて、じゃあ代わりに何入れようと考えた時に思い付いたのが“江戸元禄の酒 原酒” あの甘みのあるコクがチョコにあいそう。 実際に作ってみると想像以上の効果が! チョコレートの角のたった味が抑えられまろやかな風味に。 料理に入れる味醂みたいな感じ。 ちょっと贅沢な使い方です。 急に思いついたんで小西酒造の方には連絡してなくて、大事な酒をpoutと怒られるかと思ったんですが、逆に喜んでいただきホッと胸をなで下ろしました。

 

 今回は本当にいろいろ勉強になりました。 普段セレーノではワインしかお出ししていないのですが、僕もソムリエも日本酒はよく飲んでいるのでペアリングもすんなりいくだろうと高を括ってましたcoldsweats01
 日本酒って食中酒として万能で大抵のものにはなんとなくあってしまうので、ピンポイントでここっていうのが難しいんですね。 ワインと違ってこれは絶対合わないというものも少ないし…

 今回お出しした6種の日本酒をソムリエと二人、あーでもないこーでもないと言いながらいろんな食材や料理と一緒に食べながらテイスティングして、大枠が決まる頃には結構酔っぱらっちゃいましたhappy01 これも勉強です!

 セレーノではコンセプト的に、というか場所が板橋なので普段の営業で日本酒をお出しすることはありませんが、今回の日本酒とのペアリングの勉強はワインとのペアリングにも活かされると思います。

 今回ご参加くださった皆様ありがとうございました。 楽しんでいただけたでしょうか?

 こんな小さな店でイベントをする機会をくださった小西酒造の皆様、朝日カルチャーの皆様、ありがとうございます。

 本当はゆっくりと小西酒造の社長さんの軽妙なトークを聞きたかったのですが、料理を出すのに追われてところどころしか聞けずに残念でした。 是非、他のお店でイベントなさる時には参加したいです、よろしくお願いします。

 セレーノでもいつかワインのペアリングの会でもやりたいな~ 参加希望の方はソムリエまでwink

 ではでは、お客様もいらっしゃらない、電話も鳴らない静かなお店で仕込みをしていると、お店のドアを開けたら、世界が滅亡してるなんてことないよねって不安になる僕ですが、今宵も大山セレーノで皆様のお越しをお待ち申し上げております。

 追伸: 今週末ぐらいから生ウニの冷たいカペッリーニお出しする予定です。 2日前までにご予約下さるとほぼ必ず食べれると思います。 是非、これで暑い夏乗り切って下さい!
 

 

 

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