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2019年11月

信州鹿のアニョロッティ 鹿のコンソメにうかべて

 いよいよセレーノ〝国産ジビエフェア”も佳境をむかえ、12/7(土)までとなりました。 ご予約がまだのお客様はいらっしゃらないでしょうか? 11/30(土)はありがたいことに、満席となりましたが、まだまだ平日はお席がございます。 12/7(土)も2名様以下のお客様でしたらまだ入れます。 ご予約お待ち申し上げております。

 去年のジビエフェアは、ポルチーニが入荷しなかった反動か? 憐れんで下さったのか? 例年以上のお客様のご来店に恵まれたのですが、今年は増税の影響か? ポイント還元の使い過ぎか? いよいよ悩んでもしょうがないので、いつも通り全力で料理作ります! ま、フェア終わったらジビエカレーでも売りにいくのもいいかもしれません(笑) あ、クスクスにすればいいか、変なところで一品新作思い浮かびました。

 江迎から次の天然猪の入荷はまだですが、信州鹿のコンソメ仕込みました。 他に信州鹿と天然猪のテッリーナ、猪のカカオ風味リエット、猪バラ肉のパンチェッタ、今年初お目見え天然猪のプロシュートコットも登場です。 ジビエメニューもメインのソースなど一新しましたので、一度ご来店頂いたお客様もまた楽しめるラインナップになっていることと思います。 是非、リピートして国産ジビエのいろいろな美味しさを楽しんでいただけると幸いです。

Photo_20191129151601     さて今回のお題は〝信州鹿のアニョロッティ 鹿のコンソメに浮かべて”です。 セレーノのジビエフェアの目玉、セレーノではほとんど一年に一回しか作らないコンソメです。

 鹿のコンソメは、偶然の思いつきでできました。 ジビエのコンソメとして、いろいろなジビエでとるコンソメは本などで見たことあったのですが、それまで鹿のみでとるというのは考えたこともなくて、たまたま、鹿の骨付きすね肉を仕入れたのですが、メニューが多くなりすぎて、これで何作ろうかなと考えた時にふっと思い浮かんだのが、鹿でコンソメとったらどうなるんだろうということでした。 ただの思いつきです。 (そのあと有名なシェフの本でやってて、皆思いつくところは一緒かと思いましたけど。 )

 修業時代、鶏や牛肉のコンソメはひいたことあったんですが、鹿は初挑戦だし、どんなものができあがるのか全く想像もつかなかったんですよね~ 我ながら恐ろしい冒険でした。 セレーノを始めてからコンソメなんかひいたことなかったし、さかのぼってもそんなに回数をこなしていない。 僕の修行時代、20年以上前はコンソメジュレばやりで、みんな野菜のムースみたいなのにかけたり、魚介のサラダの上にかけたり、いろいろやってたものですが、どっちかっていうとフレンチの技法ですし。

 ところが一回目にとってみてびっくり! え、僕って天才!と思うほど美味しいコンソメがとれたんです。 ダブルコンソメのような濃さと洗練された肉の香り、今考えれば全て信州鹿の旨さのおかげなんですけど、もしかしたら腕上げたのかと自分で勘違いするくらい(笑) やっぱり脂がないのと関係しているんでしょうかね、あとスネ肉のスジとかのゼラチン質、骨髄の旨味なんかも。 

 それから毎年鹿のコンソメとるようになって、少しづつ完成してきたのが今のレシピです。 コンソメだけでも十分美味しいのですが、イタリア料理ではスープの需要があまりないので、アニョロッティをうかべてパスタにしてみました。 一度、蕪に変えたこともあったのですが、蕪の香りが案外強くて、元に戻しました。

 では作り方をサラッと。 大鹿村の加工所では、おろし方が特殊なので、骨はスネの骨しか流通してないので、骨付きすね肉をとって捌くところから。

 骨から肉やスジをはずし、さらにそのすね肉のスジを全部きれいに掃除して、赤身だけにします。 けっこうここが大変、あの急斜面をかけのぼる大鹿村の信州鹿ですから、全部筋肉でスジだらけ。 永遠につづくような地味な作業。 でも美味しいものを造るためにはしかたない。

 そして、この骨とスジからブロードを獲っていきます。 はずしたスジと骨、他の部位から掃除してとっておいたスジは焦げないようにこんがりとオーブンで焼きます。 肉系のブロードは素材を焼かないことが多いのですが、旨味と色をだしてあげて、コンソメに風味をつけるために焼きます。 焼き上げたら、鍋にこびりついた旨味を白ワインで溶かして鍋に加え、水を骨がかぶるくらい加えます。 強火で沸騰させ、アクをひいて、香味野菜(玉ねぎ、セロリ、人参)を加え、香辛料(黒胡椒、ジュニパーベリー、クローブ)、香草(ローリエ、タイム、エストラゴン、イタパセの茎)を加え、軽く沸騰するぐらいの火加減で4時間ぐらい旨味が出るまで煮込みます。 これをこしたらコンソメのベースになるブロードの出来上がり。

 次にいよいよコンソメ造り、さきほど赤身だけにしたスネ肉とモモ肉を包丁で細かめに切っていきます。 フードプロセッサーで回したりするのもいいのですが、手切りの方が澄んだ味になる気がします。 香味野菜(玉葱、セロリ、人参)は小さめの薄切りで、一旦冷やした肉に加え、卵白を入れます。 卵白の凝固する力で澄ませるわけですが、入れすぎるとどうもなんか卵の香りがするような気がするのでなるべく少なめで! 全部を鍋に入れたら、手で卵白が全体にいきわたるようにかき混ぜます。 目安は手が疲れて、だらんとしてくるまで(笑) 結構力がいるんですよ。 こんな身体ですが、文化系なので…

 一体化したら、40℃ぐらいに温めた先程の鹿のブロードを加え、強火にかけます。 鍋底に貼り付かないように、ヘラをそこに当てながら混ぜます。 卵白は60℃あたりから固まり始めるので、混ぜるのを加減しながら、肉が浮いてくるのを待ちます。 卵白と肉の塊が全体に浮いてくるようになったら、空気の逃げ道を作り、対流させるために、 真ん中に穴をあけ、アクや少しはがれた塊などはその都度すくって周りにおいてあげます。 肉のドーナツが鍋に浮いているような感じになります。 軽く沸く程度の火で5、6時間煮込みます。 濾したら、琥珀色に輝くコンソメの出来上がり!

 手間と時間とガス代考えると、家庭でやるもんでもないし、トラットリアの仕事でもないような気がしますが、まあ、趣味みたいなものです(笑) 僕はサービス残業で手数料をいただかなければ問題ない。

 さて、次は浮かべる鹿のアニョロッティ、詰め物パスタです。 このパスタはピエモンテのアニョロッティ・ダル・プリンを元にしております。 本家はバターソースやスーゴのソースにからめて食べるものですが、ここでは詰め物とパスタのバランスで選びました。 ちょっと詰め物が多くて、それに対してパスタの分量が少ないものがいいなと思って。

 詰め物はどちらかというと、素朴な味に仕上げます。 イタリアの詰め物パスタ、ラビオリ系のものは中身を美味しくし過ぎると、なんだか餃子に近くなってしまうんですよね。 美味しいのは美味しいんですが、イタリア料理とは何かが違うような。

 鹿肉はモモやロースの固めの部分を使います。 塊のまま、塩、胡椒をしてローストします。 途中でにんにくや、タイム、マジョラムなどを加えて香りをつけ、焼き上がったら、白ワインをふり、冷まします。

 他にはお米とほうれん草(もしくはビエトラ)を入れます。 ほうれん草は茹でてさらして、みじん切り。 お米はリゾットを炊くように、玉ねぎを炒めて、カルナローリ米を加え、更に炒めて、白ワインをふり、鹿のコンソメの2番を水で伸ばしたもので炊き上げます。 固めに作り、最後にパルミジャーノを混ぜ込み、冷やします。

 肉はカットして、リゾットとほうれん草と一緒にフードプロセッサーにかけ、ペースト状にします。

 卵とイタリアの00粉でパスタを練り、寝かせて、伸ばして細長い生地をつくり、先ほどのペーストを少しづつ絞りだし、パスタを形作ります。 アニョロッティは、たくさん並んだ時に羊の群れがいるように見えることから名づけられたので、けっこう詰め物の多い、小さな餃子みたいな形です。 冷凍庫ですこし乾燥させたら出来上がり。

Img_0290  この鹿のアニョロッティだけを食べてもそれほど美味しくはありません。 コンソメと一緒に食べることで初めて完成し、さらにワインを飲むことでもう一度旨味が跳ね上がる料理です。 是非お試しください。

 いよいよ寒くなって参りました。 先人の知恵に習ってジビエで滋養をつけて、厳しい冬乗り切りましょう!

 さてさて、今年も星は遠かったなと思いながら、ドラマを見て研究を重ねて、今宵も大山セレーノで皆様のお越しをお待ちも仕上げております。

 

 

 

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江迎直送! 天然猪のサルシッチャ

Image10002  国産 ジビエフェア、皆様ご予約お済みでしょうか? 江迎よりいいタイミングで天然猪も入荷しましたので、今がチャンスですよ~  なぜか11月の土曜日は苦戦中です。 23(土)もまだ空席が目立ちます。 皆様の暖かいご支援、あ、じゃなくてご予約お待ち申し上げております。

 仕込みは万全、鹿と猪のテッリーナも熟成中です。 ことし初挑戦の天然猪のプロシュート・コットも近日公開! そろそろ信州鹿のコンソメもとらないと… 

 ちなみに左の写真は今回の猪、吊り下げられててちょっと可哀想な感じもしますが、少し小さめのメスです。 猪らしいクセはちょっと弱い感じはしますが、猪は初めて!と言う方には好評です。 野生のお肉なのですので、少しは硬いですが全く癖がないのでグリルするだけで美味しいんです。 料理人の腕いらずの食材(笑) 骨も一緒にいただいたので、猪のスーゴもとったので、骨付きロースの部分は、ルスティンネガと呼ばれる、本来は仔牛を使うミラノの郷土料理をアレンジした、肉を焼いた後白ワインとスーゴをかけながら、オーブンで焼き上げるというなんともイタリアらしい料理でお出ししております。

 さて、今回のブログのテーマは“天然猪のサルシッチャ

 実はセレーノでは、昔はたまにサルシッチャ作っていたのですが、今はほぼ天然猪が入るこの時期だけ! 理由は手間のわりには人気がないからということにつきるのですが(泣) この時期だけは違います。 猪のサルシッチャがお好きな常連の皆様の為に、気合いを入れて作っております。

Dsc00994  サルシッチャ造りは、ローマの肉屋でちょっと修行したことあるというシェフの方に教えて頂いたのですが、道具も素材も違うのでほぼオリジナルに近いです。

 一時期イタリアンで、サルシッチャ出すの流行った時期もあったので、かなり食べ歩いた経験も今のサルシッチャにいかされています。

 まず、猪をさばいた時に出る、ロースやバラの端の部分や首に近い部分と多すぎて取り除いた脂を手切りにします。 あんまり大きすぎるといざ腸に詰める時に大変なのですが、荒い方が肉の食感が出るので難しい所です。 繊維が強そうな部分は少し細かめに、柔らかそうな部分や脂は少し大き目に切ります。 猪の肉は、普通の豚より硬いというか粘りがある感じなので、もうこれだけでかなり疲れます… 塩、胡椒をふって軽く手で混ぜ合わせます。 

 僕はあまり練りません。 肉々しいサルシッチャというか、ソーセージではなく食べた時に肉そのものを目指していますので、切った時にボロボロにならなければ、あまりつながってなくても大丈夫です。 どうせ腸に詰める時に少し練れちゃいますし。

 塩は岩塩(ヒマラヤのピンクソルト)とイタリアの塩を混ぜて使います。 黒胡椒とフィノッキオの花の乾燥したものも加えます。 スパイスはこれだけ! もちろんフィノッキオの花はChef'sガーデンの自家製です。 特徴的な香りですが、これが猪のサルシッチャにはベストマッチです。 トスカーナで使う所があるらしくて、日本でそのサルシッチャ作っている人がいたので食べに行ったのですが、市販されてないから無理だななんて思っていたんですよね~ でも、ないなら作ればいいじゃないかということで、一輪づつ摘み取って乾燥させています。

 塩は最初ちゃんと計量してたのですが、なんだかしょっぱくなってしまうので、今は目分量で振って、少し寝かせてから焼いて味見して加減しています。 お客様にあわせて、かなり薄めにしてあります。

 そして、流水を通して塩抜きした豚腸に、ソーセージ専用の絞り袋で詰めていきます。 詰めれるギリギリの大きさに肉切っているので、手で絞るのでは無理なんで、絞り袋に麺棒を巻きつけて、全身の力と体重を込めて押し出します。 このせいで袋が2年に1度のペース位で破けるんですが(泣)

 生のままで焼きますのであまり太くしてません。 詰め終えたら、一本の長いままなので、ちょうどいい場所でくるくるとひねって、形作ります。 交互にひねってあげないといけないのですが、ま、不器用ものの僕は毎回最初のうちは苦戦します。 どっち向きにひねっていたか、すぐ忘れちゃうんですよね(泣) 

 ちょっと短めにしてます。 最初の頃はもう少し長かったのですが、途中でお腹一杯になる人が続出で変更しました。

 ちなみにセレーノではサルシッチャ、前菜として少し小さめにして出しております。 イタリアではサルシッチャはメインの扱いですが、僕的には他にメインとして食べていただきたいものがたくさんあるので、前菜のカテゴリーにしております。 肉々しいので注文は気をつけて下さい。 これにクリーム系のパスタやニョッキ、煮込みなんかをあわせるとかなり重いコースになりますので、胃袋に自信のある方しかお勧めしません(笑)

 さて、できあがったサルシッチャは、ところどころに針を刺して、空気を抜き、冷蔵庫の風のでるところで一晩ぐらい乾かします。 本当は吊るして干せる場所でもあるといいのですが、小さな店ではなかなか。 大きなバットに網をしいてその上で、途中で一度ひっくり返します。

 それでは調理! フライパンにオリーブオイルを少なめにひき、温めるように火を入れます。 ある程度焼けたら返して、皮つきのにんにく、ローズマリーとともにオーブンへ。

 付け合せは、トスカーナみたいに白インゲン豆や野菜のマリネなどその時によって。 じゃが芋もいいのですが、お腹一杯になってしまうので。 個人的にはサラダ添えるのも好きなのですが、なんか朝食っぽいということでソムリエに却下されました(笑) イタリア的にはマスタード添えないのが普通ですが僕の好みで添えてます。

 シンプルな料理ですが、ちいさなサルシッチャのなかに猪の旨味がいっぱいに詰まっています。 是非、肉々しい天然猪のサルシッチャ食べにおいで下さい。 あなたのサルシッチャ感が変わるかも?

 ではでは、セレーノも暇なので、フェスにジビエカレー売りに行かなくてはならなくなるかもと思いながら、今宵も大山セレーノで皆様のお越しをお待ち申し上げております。

 

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江迎より天然猪入荷!

 江迎より待ちに待った天然猪入荷しました! 状態も良好、いつものように小さめの雌ですので、脂ののりはさほどではありませんが、ローストで食べるにはこれぐらいの方が柔らかくておいしいので。

 ロースや鞍下肉の部分は早い者勝ちです、予約はお早めに! ちなみに、14(木)は満席となっておりますが、15(金)16(土)は何故か(泣)まだまだお席ありますので、皆様のお越しをお待ち申し上げております。

 ではでは、こんなにジビエのメニューばっかり増やして大丈夫なのかな? セレーノも僕も…と考えながら今宵も大山セレーノで皆様のお越しをお待ち申し上げております。

 

 

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信州鹿のスーゴ・ディ・カルネ

 Img_0269  いよいよ始まりました怒涛の〝国産ジビエフェア”、最初の仕込み地獄の山は越えましたが、明日、江迎から皆様お待ちかねの天然猪半頭が届きます。 骨付きロースの部分は少ないので是非お早めにご予約お願い致します。

 11/12、現在の国産ジビエメニューはこちら

 Antipasto

ジビエ料理 前菜3種の取り合わせ ( モチェッタ、 鹿と猪のモルタデッラ、 猪のスモーク ) 

信州鹿モモ肉モチェッタ〈 赤ワインでマリネした生ハム 〉 ラフランス添え 

天然猪肩ロース肉のスモークハム ルッコラセルヴァティコのサラダと

信州鹿と天然猪のモルタデッラのロースト マウンテンペッパーマスタード添え   

◊ 天然猪のサルシッチャ 〈 イタリア風 生ソーセージ 〉のロースト       

 Primo piatto 

◊ 江迎直送! 天然猪のラグービアンカ 手打ち タリオリーニ     

◊ 長野産 信州鹿のボローニャ風 ミートソース 手打ち パッパルデッレ   

◊ 天然猪とヒラ茸、フレッシュトマトの煮込みソース スパゲットーネ ( 太さ2.2㎜ )  

◊ 天然猪と栗のパルミジャーノ風味 リゾット             

  Secondo piatto 

◊ 大鹿村直送! 信州鹿ロース肉ロースト 山梨産 マスカットベリーAのソース

信州鹿モモ肉のオーブン焼き 北海道産 レフォールのクリーム添え

◊ 天然猪肩肉のペポーゾ 〈 フィレンツェ伝統の黒胡椒風味 赤ワイン煮込み 〉 

◊ 信州鹿スネ肉とお野菜のボッリート・ミスト < イタリア風ポトフ > 

 

長野 大鹿村の信州鹿と長崎 江迎の天然猪のみを使い、前菜からメインまでジビエ尽くしで楽しんでいただけるよう多種多様なメニューをご用意しております。 ジビエフェア期間中、少しづつ、メニューも入れ替わりますので何度いらしてもお楽しみいただけることと思います。

 さて宣伝はこのぐらいにして(笑)、本題を。

 今日のテーマは“信州鹿のスーゴ・ディ・カルネ” スーゴは汁とかソースと言う意味ですので、日本語に訳すと“肉汁”、うーんあんまり美味しそうではないですね、イメージ的にはフランス料理のフォン・ド・ヴォーにあたるものと考えていただくと解りやすいかも。 ソースのベースとして、仔牛の骨やスジなどで取ることが多いソースのベースです。

 セレーノでは、コンセプト的にたまにしか仕込まないのですが、ジビエフェアの時だけは違います。 

 狩猟肉を余すところなく使うというジビエの醍醐味を楽しんでいただくのと、やはり信州鹿はソースがあったほうが美味しいということもあって、毎年、信州鹿のスーゴを仕込んでおります。

 レシピは、外苑前で修業したお店のスーゴの取り方が基になっています。 洋食のデミグラスを彷彿させるような、もう忘れ去られた古臭いやり方、なにせ3日間かけて煮込むのですから。

 信州鹿は、大鹿村の処理の仕方が特殊なため、骨はスネの部分のみとなっています。 骨付きスネ肉からスネ肉やスジをはずし、骨を斧のようなチョッパーと呼ばれる包丁で叩き切ります。 鹿の骨は硬いので、上手く振り下ろさないと弾かれますし、切り口が綺麗でないとあとでソース濾す時にクズがでて大変になるので、けっこうコツが入ります。 

 スネの骨は長いものは30㎝以上あり、鍋に入らないし、骨の中にある髄の旨味もソースに入れたいので、この作業は必須。 縄文時代は鹿の骨で釣り針を作っていたくらいですから、切り口はナイフのように鋭いので危険ですので軍手はめてます。

 さて、叩き割った鹿の骨と集めたスジ(ロースやモモを掃除した時に出る部分も加えて)、オーブンでこんがり焼いていきます。 ここの焼き目が最終的なソースの色やコクをだすのでしっかりと! 焼きが甘いとイヤな臭いが残る時もあります。 同時進行で、香味野菜、玉ねぎ、セロリ、人参を大き目の乱切りにして、半割にしたニンニクとともに骨やスジを焼いたフライパンでこちらも表面が少し茶色くなり、甘みが出るまで焼きます。

 大きな鍋に、先ほど焼いた骨とスジを入れ、水を加え、煮出してアクをひきます。 ある程度アクがひけたら、焼いた野菜を加え、肉と野菜を焼いた鍋の旨味を赤ワインでこそげとり、アルコールをとばして、鍋に加えます。

 後は、黒胡椒、ジュニパーベリーなどの香辛料やローリエ、イタリアンパセリの茎などの香草を入れて、対流してアクが浮いてくるぐらいの火加減でひたすら煮込みます。 営業時間中も端っこで煮込んでいるので10時間ぐらいでしょうか。

 さて2日目、セロリの葉とトマトソース、エストラゴンやタイムなどの香草を加え、またアクをひきながら煮込みます。 鍋のふちに、こびりつくゼラチン質のものもこそいでソースに戻しながら、水分が減り過ぎたら足しながら煮込んでいきます。

 そして3日目、まず骨を取り出して、鍋の中に髄だけ戻します。 長時間煮込んでいるので、トングに挟んで、逆さにしてコンコンと打ち付けるとスルリと出てきます。 シノワと呼ばれる濾し器を鍋にセットし、野菜やスジを押すように完全に水分を絞り出します。 最近は雑味が出るということでこの作業はやらないことが多いですが、昔ながらの味にしたいので。

 絞り出したソースをさらにアクをひきながら、煮詰めて、濃度がついたら出来上がり。 冷やすと完全に固まって、ポットを逆さにしても落ちないぐらいゼラチン質が含まれてます。

 このスーゴだけでも美味しいのですが、あくまでベースとして、これに長野のウイスキーや山わさびを加えたり、果物、たとえばマスカットベリーAの葡萄をそのワイン煮詰めたものを足したり、いろいろな派生ができます。

 大鹿村直送の信州鹿の美味しさを余すところなく使ってつくられたソースと鹿のお肉の一体感をご堪能ください!

 ちなみに猪でもスーゴとります。 骨やスジが猪だけでは少ない時は鹿も足して、スーゴ・ディ・ジビエにする時も。 鹿の方がすっきりとエッジの効いた旨味のスーゴになります。 猪はどちらかというと柔らかい味わいで旨味が強い感じ。

 さてさて、来年こそは鹿食免をもらいに諏訪大社に行かなきゃと思いながら、今宵も大山セレーノで皆様のお越しをお待ち申し上げております。

 

 

 

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国産ジビエフェア開催!

Dsc01007  今年も やってきました。 セレーノ最大の戦い、仕込み地獄の国産ジビエフェアです! 今回も鍋も火口も足りない、挙句の果てに仕込み過ぎて、冷蔵庫の場所が~なんてパニックが起こりそうな予感がヒシヒシとしておりますが、自分自身へのチャレンジとして頑張ります(笑)


   今年も長野 大鹿村、長崎 江迎の方々のご協力により、癖のない国産ジビエ、信州鹿、天然猪が直送でセレーノにやってまいります。 2種の国産ジビエを余すことなく使って、前菜からメインまでいろいろな料理に仕上げます。


 11/9(火)から12/7(土)までの期間限定フェアとなります。 毎度のことですが土曜日は混み合うことが予想されますので、お早めにご予約お願い致します。 初日の9日土曜日はまだまだお席に余裕がございます。


 江迎の天然猪は、少し前からお願いしているのですが、いいものがいまだ獲れず、無理をいって(本当にありがとうございます)、ブロック肉を送っていただきました。 煮込みや加工品、パスタなどで提供させていただきます。


 仕込みがほとんどないポルチーニフェアから一転のセレーノ、今回は素材の良さだけでなく、料理人としてのテクニックで勝負を賭けます、皆様のご来店お待ち申し上げております。


 さてさて、某ドラマ(笑)では鹿はロースに限るみたいな感じでやってたけど、旨味はモモのほうがあるんだけどなと思いながら、今宵も大山セレーノで皆様のお越しをお待ち申し上げております。 


 Ps: でもあの料理は食べたい! 鹿の血でクラリフェしたコンソメどうなるのかな~ やってみたいけど色々考えると…



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フェア終了後のセレーノ

 ポルチーニフェアご来店ありがとうございました。 今年はまさかのポルチーニ祭り、一度も切れることなく届きました。 去年の惨状からか今年はご来店して下さるお客様も多く、特に週末は満席の場合が多く、ご予約をお断りしたお客様本当に申し訳ありませんでした。


 今回のポルチーニクイーンは、4回ご来店頂いたNさん。 2017年に続けて2度目の栄冠! ありがとうございます。 3回ご来店の皆様あと一歩でしたね、来年狙ってみて下さい。 毎回違うポルチーニ料理でお待ちしております。


 さて、フェアが終わるといつものようにあの喧噪は嘘のように電話さえ鳴りません…(泣) フェアの最中は電話の応対だけでも大変だったのに、相変わらずの落差。 普段バタバタしていて、お相手できていないお客様とゆっくりといろいろ料理のお話しなんかをできるのは有難いのですがね、あんまり静かなのも寂しいので誰か救いの手を差し伸べて下さい(笑) 


 こういう時こそ冬の新メニュー開発!ということで、牡蠣や白子を買い込んで、お客様の反応を窺いながらいろいろと試しております。 関サバ安かったので買ってみたりしたり、メニューをがらりと秋冬のメニューに変えるので仕込みに追われており、ブログも書けなくて、すいません。


 最近休みの日や試飲会でワインの勉強をすることも多く、いろいろな料理の妄想が頭の中でぐるぐる回っております。 その空想料理の中でお店の規模や仕入れ、料理の腕(笑)、セレーノの方向性などいろいろな要素を考慮して新作料理は生まれます。 キムタクのドラマみたいにやたらに試作したりしたりはしないので、ある日突然形になるものが多いです。 


 いままでの経験上、一発で思った通りにできた料理は定番として残ります。 実際に作ってみて、上手くいかなくて試行錯誤する料理は大抵そのあと消える運命です。 僕だけかもしれませんが… 


 最初にシェフになった外苑前の店でさんざんオーナーの指示でいろいろな料理を試作しましたので、この時に本当に鍛えられました。 有名なシェフの方をたくさん輩出した店でしたのですが、オーナーがあたらしもの好きでしたので、ちょっと暇だと呼ばれてこういうのできないかなと毎日毎日試作させられてました。


 オーナーはコックではないので、変な注文も多く、いやそれ絶対無理だろう!と思うものも… ギンダラの煮つけみたいな魚料理? ハーゲンダッツのバニラみたいなアイスクリーム、黒酢の酢豚みたいな肉料理、アルコールが入ってないババ etc.


 一種類の素材だけでマラソンのように料理を試作させるのも得意で、じゃが芋、茄子、アーティチョーク、さらにはトリュフやポルチーニも! 一品作っては批評を受け、こうしたらどうだろうと言われ調理場に戻り、また試作しての繰り返し。 お客さんが来ないとえんえん料理を作り続ける羽目に…


 今思えば贅沢な話ですね~ オーナーが許せば食材使い放題ですから。 おかげで妄想だけで試作できるようになりました。 あの時は本当にノイローゼになるほど辛かったですが、今の僕があるのはH社長のおかげです。 ありがとうございます。


 この修行時代の話は長くなるのでまた今度に!


 来週末、11/9(土)からは国産ジビエフェアもはじまります。 もう仕込みは少しづつ開始しております。 あとは猪が獲れるのを待つだけ! 神様お願いします、恵まれないセレーノに猪を!


 ではでは、あのドラマの試作してた料理、有名なシェフが昔やってた料理だよ~ダメだししていいの?とツッコミをいれながら今宵も大山セレーノで皆様のお越しをお待ち申し上げております。


 


 




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